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クライマーズ・ハイ

試写会にて鑑賞。

あの事故の日の、TVが伝えた緊迫の状況はいまでもトラウマのようによく覚えている。
23年も経ったからといって、航空業界が、いや人を運ぶ乗り物業界はもちろん、日本人なら風化させてはいけない大きな事故だと思う。

だけど、映画で核になっているのは、新聞社内のバタバタした1週間の出来事であり、被害者のお話やご遺族のことはあまり出てきません。一シーンだけ胸が詰まるような現場のエピソードがありますが。
全体的に、感動秘話とかを期待されてると肩透かしを食らうでしょう。
下手に被害者さんをからめた感動ストーリーになるのは、逆にご遺族に対して失礼だろうし、これくらいあっさりした感じで良かったように思います。

「事故は悲惨だ!命は大切だ!」と強烈に訴えるメッセージもありません。
なので、「現場の悲惨な描写を見るのが辛い。。」と、見るのを躊躇してる方にはそこは大丈夫かと思います。

事件後の新聞社内にはハラハラした緊迫感がありましたが、そこにしょっちゅうはさんでくる現在のシーンが非常に多くて、緊張が途切れました。
「家族の大切さ」を伝えたいのはわかるけど、あそこまで1週間の流れをぶちぶちぶった切る必要があったのかな。。
最初と最後だけ、現在の状況を簡単にはさむくらいにしていれば、もっとテンポ良く興味深く見られたと思うのに残念。

しかし、これほど大勢の方が亡くなっているのに、一面に載せる記事でもめている大人の姿にはイライラさせられました。
いわゆる企業戦士なら、この状態が理解できるのかもしれませんが。
新聞記者を辞めて、書きたいことを書ける作家になった原作者の横山さんの気持ちが少しわかるような気がします。

また、当時は携帯電話が無くて、すぐに情報が伝えられず大変だったというエピソードが、時代を感じさせます。
無線機さえ持っていないというのは、いくら地方の新聞社でもきつかったでしょうね。

そうそう、堺雅人さんファンは彼の硬派な一面を見られるので、なかなか見ごたえがあるんじゃないでしょうか。
あんなに笑顔の無い堺さんを初めて見ました。
あと、邦画にありがちな無駄な恋愛フラグをはさまなかったのはよかったかな。
硬派に生きた男たちのお話でした。
by loveapops | 2008-06-28 23:40 | 映画感想

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